最近、タイムラインでバトルVIPパスの高額買取ツイートを見かける事が多いと思います。その経緯について、他TCGプレイヤーにもわかるようにざっくり説明していきます。
バトルVIPパスとは?
ポケモンカードプレイヤーにとってはおなじみのカードですが、他TCGプレイヤーの方向けに今回の記事では基本的な内容についても触れながら説明します。
このカードは、最初の自分の番にしか使えない。
自分の山札からたねポケモンを2枚まで選び、ベンチに出す。そして山札を切る。
最初のターンにしか使えない代わりに、デッキから好きなたねポケモンを2体持ってこれるハイリターンなカードです。
ポケモンカードは強い盤面をできるだけ早く作ることが重要です。《バトルVIPパス》は序盤から必要なポケモンを自分の場に揃えることができるため、優位に立ち回れる可能性が高くなります。ベンチにはポケモンを5体まで出せるので、最初のターンで2枚使うのが、非常に強い動きとなります。
自分の山札からたねポケモンを1枚選び、ベンチに出す。そして山札を切る。
使用タイミングに制約がない《ネストボール》はたねポケモン1体をベンチに出せます。最初のターンであれば《バトルVIPパス》は《ネストボール》2枚分のはたらきをします。
バトルVIPパスのデメリット
最初のターンでのみ使えるカードなので、2ターン目以降は邪魔なカードとなってしまいます。逆に言うとこれくらいしかデメリットがないローリスクハイリターンなカードとなっています。そのため、上位入賞デッキの多くに4枚採用されています。
言い方を変えると初ターンに引けなければ4枚全てが邪魔なカードとなってしまいます。60枚のうちVIPパス4枚なので毎回必ず初手で来るわけではないですが、使える確率を上げるさまざまなギミックがあります。
バトルVIPパスと相性がいいカード
《バトルVIPパス》をなんとしてでも最初のターンで使うことが重要です。代表的なカードを以下に紹介します。
ウッウロボ
このカードは、自分の手札からグッズを1枚トラッシュしなければ使えない。
コインを1回投げオモテなら、自分の山札から好きなカードを1枚選び、手札に加える。そして山札を切る。
50%の確率でデッキから任意のカードを持ってこれるカード。手札のグッズを捨てる必要があるので、ミュウVMAXデッキなどのドロー特性のあるデッキで採用される。2ターン目以降に使えなくなった《バトルVIPパス》を捨てるのにも有効。
このカードはVIPパスよりお高いんですよね・・・
森の封印石
特性 スターアルケミー
自分の番に使える。自分の山札から好きなカードを1枚選び、手札に加える。そして山札を切る。[対戦中、自分はVSTARパワーを1回しか使えない。](一部抜粋)
ポケモンVと採用することで、初手から《バトルVIPパス》に触れる可能性を上げるポケモンのどうぐ。こちらもミュウVMAXデッキで特に採用が多い。SVシリーズのルール変更で「グッズ」扱いでなくなったため、ウッウロボでトラッシュできなくなってしまった。
キュワワー
特性 はなえらび
このポケモンがバトル場にいるなら、自分の番に1回使える。自分の山札を上から2枚見て、どちらか1枚を選び、手札に加える。残りのカードはロストゾーンに置く。
ポケモンカードでは先攻1ターン目はサポートカードが使えないため、山札からの追加でのドローが難しいです。しかし《キュワワー》は特性で簡単にデッキの上から2枚見て、1枚手札に加えるカード。このおかげで《バトルVIPパス》に触れる可能性がぐんと上がります。《キュワワー》を軸としたロスト関連デッキは登場時からいろいろな相方ポケモンとともにずっと環境上位に居座っています。
相性の良いデッキ
VIPパスのサーチカードを採用したデッキ
森の封印石、ウッウロボ(ミュウVMAX)
ポケモンの特性でドローできるデッキ
キュワワー(ロスト軸)、ゲノセクトV(ミュウVMAX)、イキリンコex
2ターン目以降にVIPパスをトラッシュしやすいデッキ
特性「リファイン」キルリア(サーナイトex)
大抵のデッキは序盤でベンチにポケモンを展開したいので、多くのデッキが当てはまります。
逆に相性の悪いデッキとして《ルギアVSTAR》軸のデッキが挙げられます。2ターン目以降に《アーケオス》をベンチに展開したいため空きが必要となります。アルセウスジュラルドンのように相手にとって嫌なポケモンを押し付けてサイドプランを崩すデッキも相性は良くないといえるでしょう。
VIPパスがじわじわ高騰
バトルVIPパスの収録は2021年9月発売の「フュージョンアーツ」になります。
当初も300円くらいで比較的高価なトレーナーズではありましたが、購入をためらうほどのものではありませんでした。ところが最近では需要が伸びて、ついに大台を超えてしまった感があります。
基本的に4枚採用のカードなので、揃えようとすると1万円ほどかかってしまいます。これからポケモンカードを始めようとする方にとっては、障壁となってしまうのではないでしょうか。
なぜこのタイミングでの高騰?
コイツが原因です
特性 イキリテイク
最初の自分の番にだけ1回使える。自分の手札をすべてトラッシュし、山札を6枚引く。この番、すでに別の「イキリテイク」を使っていたなら、この特性は使えない。
初手ドロー後の手札8枚ではVIPパスに触れないことも時折ありますが、特性イキリテイクの登場によりさらに6枚ドローできるので、高確率でVIPパスに触れるようになりました。そのため、今までよりも多くのデッキでVIPパスが採用されるようになりました。
《すごいつりざお》の再録で、初手エネルギートラッシュのリスクが減ったことも多少なりとも影響しているでしょう。
スタンダードレギュレーションであと9ヶ月ほどしか使えないにもかかわらず、ここまで高騰するというのは驚きです。
XYシリーズでも《シェイミEX》が高騰したことがありましたが、後に再録されて価格は下がりました。《バトルVIPパス》はレギュレーション「E」のカードのため、今後再録される可能性は低いのではないでしょうか。
それでもVIPパス再録してください!なんでもはしません。
おわりに
カードゲームでは人気のカードが高騰することはめずらしくありません。昨年だとレギュレーション落ち前に《クワガノンV》が高騰したことも記憶に新しいです。「自分が必要だと思ったカードは買う」「高騰して人気があっても使う予定がなければ買わない」というスタンスで自分は遊んでいます。
自分がカードゲームを始めたときは《シェイミEX》が1枚2000円程度で、4枚必須の時代だったので合計で8000円ほどかかりました。せっかく買ったのだから沢山対戦しよう思い、ジムバトルに積極的に出るようになりました。比較的高い買い物をした後って、それをきっかけにモチベーションが上がりませんか?数十万かかるRIZAPのダイエットとか、自腹で買った参考書とかも同じ原理で多少なりともモチベーションが上がるものだと思います。
「趣味にどこまでお金をかけるべきか」
自分なりに計画性を持って、ポケモンカードを楽しめるといいですね
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